3つのR
「お待たせ。了解貰えたから行こうか」
「え、あの、一体どこへ?」
「店だよ、俺の職場~」
え!?私は驚いて彼を見上げる。私の反応は予想通りだったらしく、面白そうな顔をしたままで彼は言った。
「ここら辺で一番美味しいもの作るのは、俺だよ。店の厨房借りるからスペシャルランチ作る。期待しまくってついて来てくれる?」
「店?・・・あの、駅前のご飯屋さんではダメなんですか?」
だって私、今日あなたに会った2回目なんですけど!?混乱していたけれど、彼はどんどん進んで行くから必死で質問を飛ばした。相変わらず楽しそうに、しかし断固とした雰囲気で彼は話す。
「うんダメ。外見はちょっとばかしお洒落かもしれないけど味がイマイチ。金払って食べるなら美味いもん食いたいけどここら辺ではそれが簡単じゃねーんだ。だから俺が作る」
「え、いえいえ、あのー、お店は開いてるんですか?」
驚いたままの私は焦って彼を見上げる。お金払うならってのは判るけど、すごーく判るけど、でもそれでどうして話が職場に行き着くの~!?そう思っていた。
「まさか。居酒屋だから仕込み始めるのでも2時からだよ。でも今日は店が休みの日だから大丈夫」
「や、大丈夫って・・・えーと、あの?」
「それとも職場の店より俺の部屋がいい?」