3つのR


「え」

「え、ええ?何言ってるのお姉ちゃん!いいですいいです、勿論そんな・・・」

 慌てる私の隣でコン、とカップを戻して、龍さんが手を出した。

「構いませんよ、俺は」

「え?」

 私は首が鳴るかと思う勢いで振り返る。お陰で更にクラクラが増してしまった。

「申し訳ないんだけれど、もうここまで来たら最後までお願いします。ほら、潤子は寝るのよ!」

 二人ともがにこにこにこにこ~っとしていて、その機嫌の良さが妙に恐ろしく、私は発言する元気も勇気もなかった。

 そんなわけで、何故か知り合って二回目の男性が、今、私の部屋にいるのだ。

 ――――――――まさか、こんなことになるなんて。

 流石に目の前でベッドに寝転ぶのは恥かしいものがあって、私は座っている。龍さんはザッと部屋を見回して、私が壁に貼った「reduce」の紙を指差して笑う。

「字、綺麗じゃん」

 ・・・うう、何か恥かしいものをみられた気分だわ。私は赤面を隠すために後ろをむいて部屋着を用意しながら言った。

「お忙しいでしょうに、すみません、こんなことになって」

「うんにゃ。俺今日は本当に暇だったんだよ。病院がどれだけ時間食うか判らなかったから、何もいれなかったんだ」


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