3つのR
嬉しかった。姉ではない、全然違う人たちと少しでも話すこと、それがこんなに楽しいこととは知らなかったのだ。
褒められようと思って始めたことではないけれど、人から褒めてもらえる。それは私には本当に久しぶりの経験で、少しずつ自信みたいなものが湧いてくるのも感じたのだ。
やっぱり人間、いくつになっても褒められるのは嬉しいらしい。
温かくなってきたから、朝の公園は散歩やジョギングする人達の姿も増えていた。私は草影に隠れてそうなゴミを集中的に探して少しずつ袋にいれていく。
掃除は、心が元気になる。
見た目が変わるからだろう。ゴミをとればそこは綺麗になって、それがすぐさま自分の視界で確認出来るのだ。歩き回るお陰で私にもちょっとずつ体力がついてきたみたいだし、ほんと、これは一石三鳥だわ~などと思っていた。
持参した袋が半分になったところで、ふう、と息をついて体を起こす。
腕時計は開始して30分ほどが経ったことを示す時間。・・・もう今日は、ここらへんでやめとこうかな。私は袋のくちを閉じる。目に付くところにゴミは見当たらないし。
日差しが柔らかくサラサラと降ってくる中、ベンチまで歩いて腰を下ろした。