私のこと好きって言うんなら、ちゃんと守ってよ

手を拭き終わりそれをポケットに戻すと、私は帰ろうと校門に体を向け、数歩歩いた。


「滴ちゃん、待って!」


と、どこかで聞いたことがある声が背後から聞こえた。


「ハンカチ、落としたよ」


振り返るとそこには草太くんがいた。


落としたハンカチを見て、一旦左手をポケットに突っ込んだ。


………紛れもなく私のハンカチだった。

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