時は誰も待ってくれない 上
優は助手席のドアを開けると座るように誘導してくれる。なんて紳士的な人なんだろうと改めて思う。
今の時代に車のドアなんて開けてくれるのお金持ちの人くらいじゃない?
自分も車に乗った優は「お腹すいた?」と聞いてきた。
学校終わってからバイトだったから何も食べてないのでお腹はすいている。
頷くと優は笑って「了解」と言うと車を発進させた。

すでに夏に入っているので外は暑いが車内は心地良い涼しさだった。
寒すぎず暑すぎず。
これも優の優しさだろうなと思うといつも以上に胸が高鳴って愛おしくなる。
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