時は誰も待ってくれない 上
「やっぱり優の家は落ち着くなぁ」
「そう?」
「うん、自分の家より落ち着くかも」
「大袈裟だな」
テレビを見ている私の後ろに置かれた白いソファに腰をおろした優がクスッと笑っている。
でも本当に優は一人暮らしの割には家具などちゃんと揃っていて部屋のデザインもすごく落ち着く。
カーテンは明るめのオレンジで観葉植物が置かれていたり大きなテレビの前にガラステーブルが置かれている。
ダイニングテーブルもあってすごく家庭的な家だった。

私の好きなアイスココアが入ったマグカップを渡しながら優が聞く。
「なんで一人暮らし?」
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