時は誰も待ってくれない 上

予想外の言葉に勢い良く振り返ると少し照れたように眉を困らせながら微笑んでいる優がいた。
抱き締められるのはよくあるけど初めてお泊まりなんてする。
それは…そういう意味と捉えていいのかな？
おと、お泊りだもんね？

目を泳がせる私の顔をぐいっと両手で上げると優が触れるか触れないかのキスをした。
ちゅっと可愛い音を立てて一瞬だけ触れた唇はみるみるうちに熱くなって体全身が熱くなる。
そんな私を見て愛おしそうに微笑むと「だめか？」と首を傾げる。
「でも…っ何も持ってきてないよ」
「いいよ」