時は誰も待ってくれない 上
何がいいのかはいまいち分からなかったけれど
私はこくりと頷いた。
私も今日は帰りたくないと思ったから。
そんな私にまた優しくキスをする。
「…んっ」
だんだん激しくなるキスに空気を求めて口を開くと待っていたかのように入ってくる優の舌。
それは私の口内をゆっくりと動く。
「はぁ…ん…っ」
思わず出る甘い吐息に自分も驚いて体を離そうとすると優が私の腕を掴む。
カッと体が熱くなって優を見ると優も熱をおびていて少しだけ紅潮している。
強く私を抱きしめるとまた優が綺麗な声で甘い言葉を囁いた。
「続きは夜な」
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