時は誰も待ってくれない 上
病院
「優…起きて」
「ん…」
ベッドから体を起こすと裸のままで昨日の夜を思い出しては一人で赤くなる。
私、本当に優としたんだ…。
昨日は一晩中、優は私を愛してくれた。
優しく優しくまるで宝物に触れるようにそっと抱いてくれた。
その優しさになぜか涙が止まらない私の瞼にキスを落とした。

思い出しただけで体がカッと熱くなる。
「優、学校どうす…ひゃっ」
髪に手を伸ばそうとした私の腕は勢い良く掴まれて優の胸へと引き寄せられた。
「おはよ真由」
「ゆ、優起きてたの?」
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