時は誰も待ってくれない 上
「わ、これすごい」
「ん?」
「この小さいやつ」
指をさすと優も少しだけ屈んでそれを見る。
小さな小人と小さなお姫様が手を繋いでいてすごく可愛らしい人形だった。
その横にあった二つで一つの絵になるキーホルダーがあった。
絵には海が描かれている。片方には地上を。もう片方には深海を。
ペア…ってやつだよね?
でも優はこんなの好きじゃないと思うし私は何も言わず他のも見て回り、店を出た。

遊園地とか水族館とかそんな場所じゃなくても好きな人とならこんなにも楽しいんだと初めて知った。
ただ見て回るだけだけど同じものを見て同じ感動を得るなんてすごく素敵なことだと思う。
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