時は誰も待ってくれない 上
さっきよりも人は増えていて少しだけ混んでいた。
優の横をキョロキョロしながら歩いていると誰かにぶつかって体がよろける。
「おっと…」
咄嗟に腰に手を回した優が体を支ええてくれたので転ばずに済んだけどいきなり私は腕を引き寄せられたので抱きしめられる形になる。
沢山の人が行き交う場所で私達は一気に注目をあびる。
「ゆ、優!」
「あ…、ごめんごめん」
周りを見るとやっぱり沢山の人が見ていてすごく恥ずかしい。あぁ今なら小さな穴にでも入れるよ…。
やっぱり優の方が大胆だ。
私を離した優は困ったような笑顔で私に手を差し出してきた。
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