時は誰も待ってくれない 上
どうしても伝えなきゃいけないことがあるのに
口に出せない。出そうとしてるのに声に出なくてもどかしい。

あのね、私…

『生きて』

え?

『生きて欲しい』

そう言うとその人はあっという間に目の前から消えてしまった。

光のように消えてしまったのにその言葉と手の温もりは残っていて私の心を強く刺激した。
< 143 / 186 >

この作品をシェア

pagetop