時は誰も待ってくれない 上
再会

「家から一番近い病院は…っと」
携帯で検索しながら探すけれどここに来てから病院へ行ったことがないので道が良く分からない。
どうしようか…
昔はよく風邪をひいたら総合病院へ行っていたので総合病院へ行くことにした。
『総合病院』
総合病院という言葉にふと山下くんを思い出す。
なぜあの別れの日にその言葉を言ったのかは今でもわからない。そのことすら今の今まで頭にはなくて消えかかっていたもの。なぜか胸がギュッと締め付けられるような感覚が広がり、少しだけ肩に力が入る。

私はこれから何が起こるかなんて知らず総合病院へと向かった。
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