時は誰も待ってくれない 上
総合病院ということもあり大きくて患者も多いこの病院はすごく信頼されている。
私はすぐに受付をしてロビーのソファーに座る。
なんか、ここにいると本当に病院なのかなって思ってしまう。病院独特の匂いはあるし白衣を着たお医者さんだっている。
でも患者さんの笑顔を見ていると本当にこの人が病気なのだろうか?と思ってしまう。
入院患者だって苦しい筈なのに楽しそうに看護婦さんと話している。
太陽の光が差し込む広い一階ロビーは診察に来た人達で溢れていて顔は暗い。
入院患者のほうが笑顔だなんて不思議な光景だなと思った。
カバンの中で携帯が鳴り出す。
えっと…あ、優だ。
ディスプレイを見ると優と表示されていてすぐに通話ボタンを押す。