時は誰も待ってくれない 上

「特に異常はないですね」
「ありがとうございました」
白衣が似合う爽やかなお医者さんと少し会話をして病室を出た。
ふぅ…何か疲れたけど異常なしで良かった。
会計時の名前を呼ばれるまでまた席に座る。
視界で通り過ぎる小さな子たちやおじいさん、おばあさんには点滴などの機械がつけられているが体とは逆でやっぱり表情は明るい。
その時、視界の隅で男の子が転んだ。
そりゃ、もう盛大に…。
「ぼ、僕!大丈夫?」
最初は堪えていたみたいだけど駆け寄って声をかけると線を切ったように泣き出した。
たくさんの視線を浴びながらも男の子に声をかける。
えっと…どうしたらいいの!?
「ど、どこを怪我したのかなー?」
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