時は誰も待ってくれない 上
ちょうど注文した飲み物を持ってきた店員にきまづくて話を中断する。
店員も気まづかったのかササッと行ってしまった。
「あのさ…、中谷の話なんだけど」
その名前に微かに肩が震えたのが自分でもわかる。
まさか中谷の話だなんて思ってなかった。
いや、山下くんも同じ高校だったわけだし中谷の話が出てきてもおかしくない。
それを分かっててここに来たんじゃないの?
「中谷とは…会った?」
ドクンドクンと体が激しく脈打つ。
胸が焼けるように熱くて変な汗をかきそう。
「…うん」
「そっか、どう思った?」
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