時は誰も待ってくれない 上
顔の前で手を組んで私を見ながら山下くんが聞いてくる。
「どうって…」
「なんか変わったとことかあった?」
私は俯いたまま思い出す。
ゆっくりと瞳を閉じて、ショッピングモールで姿を見つけた時のこと、総合病院で入院していると言う中谷に別れを告げた日のことを思い出す。
「すごく…痩せてた。肌も白くなって…でもやっぱりあの瞳だけは変わってなかったよ」
そう、あの悲しく揺れる瞳だけは変わっていなかった。
思い出しただけで胸が苦しくなって泣きそうになる。まだこんな感情になる自分が嫌になる。
笑って過去にできないのが苦しい…。
「総合病院に行ったのか?」
「どうって…」
「なんか変わったとことかあった?」
私は俯いたまま思い出す。
ゆっくりと瞳を閉じて、ショッピングモールで姿を見つけた時のこと、総合病院で入院していると言う中谷に別れを告げた日のことを思い出す。
「すごく…痩せてた。肌も白くなって…でもやっぱりあの瞳だけは変わってなかったよ」
そう、あの悲しく揺れる瞳だけは変わっていなかった。
思い出しただけで胸が苦しくなって泣きそうになる。まだこんな感情になる自分が嫌になる。
笑って過去にできないのが苦しい…。
「総合病院に行ったのか?」