時は誰も待ってくれない 上
今日は一人で学校に行く。
いつもなら梨香と行くけど中谷からの伝言…
中谷…。
あぁ、またにやけてしまう!!!
こんなところ中谷だけには見られたくない。
「なんでにやけてんの?」
「あ、やっぱり顔に出てま……すか…」
後ろから声をかけられて反射的に振り返った私は一瞬で固まる。
「はよ」
「おは…よ」
なんで中谷がいるの…。
「なんでって顔だな」
「あ、えっと…」
「俺も家こっちなんだよ」
「あぁ、そう…」
ということは私と家近かったりするのかな…。
本人に見られたくない顔を見られちゃったけどそんなことよりも今、中谷が横で歩いていることが嬉しすぎてどうでもよくなる。
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