時は誰も待ってくれない 上
こんな私をいつも優しく抱き締めてくれる優がいる。
大切な人で、これから一緒に歩んでいこうと決めた人が私にはいる。
「どうして今更…」
「今更なんかじゃない」
顔をあげた山下くんは泣いていて一筋の涙を静かに流している。
「あいつはずっと言おうか悩んでた。それを知らずに俺は高橋さんに告った。たまたま駅で会った中谷が俺に言ったんだよ」
やめて。
やめてやめてやめて。
それ以上何も言わないで。
胸のざわつきが激しくなって呼吸すら苦痛に感じる。
目もとを隠しながら一息おいて山下くんが言った。
大切な人で、これから一緒に歩んでいこうと決めた人が私にはいる。
「どうして今更…」
「今更なんかじゃない」
顔をあげた山下くんは泣いていて一筋の涙を静かに流している。
「あいつはずっと言おうか悩んでた。それを知らずに俺は高橋さんに告った。たまたま駅で会った中谷が俺に言ったんだよ」
やめて。
やめてやめてやめて。
それ以上何も言わないで。
胸のざわつきが激しくなって呼吸すら苦痛に感じる。
目もとを隠しながら一息おいて山下くんが言った。