時は誰も待ってくれない 上


あのまま会話はなかったけどなぜか嬉しかった。
授業の内容はもちろん頭に入ってこないし梨香との帰り道も私の話でもちきりだった。
ベットの上に寝転がり携帯を開く。
電話帳に表示されている『中谷』という名前。
それだけで鼓動は速くなる。
私から中谷に電話をかける日がくるのだろうか?
この発信ボタンを押す日が来るのだろうか?
その時はどんな時だろう…?
私はその夜、携帯を握り締めて眠った。
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