時は誰も待ってくれない 上
「中谷って寒いの苦手なの?」
「ん?あぁ、あんまり好きじゃねぇ」
「ふーん…」
あ、会話終了してしまった…。
私は冬が好きだし…話が合わないよね。
私と中谷は席が隣だけどいつも話すわけじゃなくて本当に時々話すくらい。
でも中谷の隣になれたことだけでも私は幸せを感じていて、中谷のことが好き。
幸せに浸る私を横目でチラッと見て中谷が言う。
「お前は?」
「ん?」
「寒がりなのか?」
「ううん、私は雪が好きなだけ」
「なんで?」
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