時は誰も待ってくれない 上
「おはよー、遅かったね真由」
「おは、おは…はぁっ…おはよ…」
ぜぇぜぇと肩で息をしながら梨香に返事をして席に着く。
結局ダッシュで来たものの遅刻決定は当たり前で、すでにお昼休みになっていた。
今日もちゃんと中谷は学校に来ていて昼休みだからなのか教室にはいない。
遅刻の理由を梨香に話すと「相変わらず和樹くんはヤンチャだね〜」と言って笑っている。
お昼ご飯を食べようと思っても遅刻した私は弁当を持ってきていない。
あー、こんなこと初めてだ…。
「ごめん、ちょっと購買行ってくる」
「わかったー」
私なんて見向きもせずに食べることが好きな梨香はお菓子に夢中。
お昼ご飯がお菓子…。なのにスタイル抜群とか羨ましすぎる。なんていうか、梨香は女として持っておきたいものを全て持ってる感じだよなぁ。
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