時は誰も待ってくれない 上
中谷は悲しそうな瞳のまま優しく笑うと私の頬に触れる。
そっと、優しく私の頬を撫でて一瞬触れた中谷の袖は冷たくて私はさっき泣いていたのだと分かった。
それを拭ってくれたんだ…
私が寝ぼけて帰るのを止めてしまっても私が起きるまで居てくれた…

中谷は見た目は不良でも何もしないしこんなにも優しいのにみんなは勘違いをして近寄らない。
中谷の中身を知らないからみんな近寄らないんだ。


頬に触れている中谷の手は暖かくてその暖かさはとても心地よかった。
顔も体も熱くて鼓動の速さは異常なほどに速くてこの静かな空間に響いて中谷に聞こえてるんじゃないかと思うくらいドキドキしている。
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