時は誰も待ってくれない 上


二学期最終日、私と梨香はいつものように私の席でダラダラと喋っている時、担任の中山に呼ばれた。
「ここのやつ全部、科学準備室に片付けといてくれ」
そう言われて科学実験室を見ると大量の書類や実験に使う道具が山積みになっている。
なにこの量。これをなんで私?
「これ…全部ですか?」
「あぁ」
「なんで私なんですか?」
「なんでって…お前科学係じゃなかったか?」
「…」
そうだった。
くじで決めた係り当番で私は科学係になってしまったんだ。
楽だと思ってたら…明日から冬休みになるのに!わざわざ最終日にこんなに仕事しなくてもいいじゃん。
口には出せずさっさと職員室へ行ってしまった担任に頭の中で文句を言うしかない。
「あーこれ終わるのかな」
片付けても片付けても片付かない!!!
梨香に手伝ってもらおうか…。
いや、でもなんか悪いしいいや。
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