時は誰も待ってくれない 上
中谷を見てなぜかドキドキするのに苦しくて私まで悲しくなって帰り道の河川敷に座って空を見てるといきなり横に座った男の人が「悲しいね」と言ってきた。
悲しい…。
うん、私は今なぜか悲しい気持ち。
私は静かに頷いた。
隣の人は何も言わない。
それからずっと暗くなるまでその人とは会話は無かったけど私が口を開くまで隣でいてくれた。
静かに流れる川の水の音だけが二人の間に流れて私は心地の良さを感じていた。
「ねぇ」
「ん?」
「あなたは帰らないの?」
「帰っても暇だからな」
そして会話は終わっちゃったけど私は知っている。
さっきからその人の携帯が鳴っていることを。
大きな音にならないようにズボンの奥に押し込んで音を小さくしようとしていた。
きっと親とかからだろう。
入学式の日に帰ってこないなんて心配しているんだと思う。
その言葉のない優しさに悲しかった気持ちが少しだけ軽くなった。
ずっと空を見ててその人の顔はちゃんと見てないけど心の底から感謝の気持ちでいっぱいだった。
悲しい…。
うん、私は今なぜか悲しい気持ち。
私は静かに頷いた。
隣の人は何も言わない。
それからずっと暗くなるまでその人とは会話は無かったけど私が口を開くまで隣でいてくれた。
静かに流れる川の水の音だけが二人の間に流れて私は心地の良さを感じていた。
「ねぇ」
「ん?」
「あなたは帰らないの?」
「帰っても暇だからな」
そして会話は終わっちゃったけど私は知っている。
さっきからその人の携帯が鳴っていることを。
大きな音にならないようにズボンの奥に押し込んで音を小さくしようとしていた。
きっと親とかからだろう。
入学式の日に帰ってこないなんて心配しているんだと思う。
その言葉のない優しさに悲しかった気持ちが少しだけ軽くなった。
ずっと空を見ててその人の顔はちゃんと見てないけど心の底から感謝の気持ちでいっぱいだった。