時は誰も待ってくれない 上
そう言うと山下くんは静かに私の腕を放した。
それと同時に私は振り向かず中谷の元へと走った。
夕暮れに染まる部屋で静かに呟く。
「笑顔にするって決めたのに…泣いてた」
泣きそうな声で呟くその声は誰にも届かなかった…。

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