時は誰も待ってくれない 上

中谷だけを考えた。
毎日毎日何をするにも中谷が頭から離れなかった。
そんな冬休みがやっと明ける―…。


「真由!何組だった!?」
「まだ見てない」
「まじ!?じゃ一緒に見よ」
校門前で新入生なんておかまいなしに私達は張り出されたクラス分け表に駆け寄る。
「えーっと…今田梨香…あ、三組だ」
「私は…」
「真由の名前もある!やったぁ同じクラスだ」
「え、ほんと!?やった」
二人でハイタッチして喜ぶ。
周りの生徒も喜ぶ人もいれば肩を落としている人もいた。
でも私はそんな人達を見てるんじゃない。
人混みの中、私は中谷だけを探していた。
いない…見落としたかな?
それともまだ学校来てないのかな…。
人が多過ぎてそれ以上そこにいるのが苦しくなったので私達は教室へと向かった。
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