時は誰も待ってくれない 上
「そうなの…?」
「あぁ、俺が一人になりたい時とかで昼休みにここへ来たらいつも中谷は一人でここに座って空を見てた」
確かに…中谷は昼休みはいつもいない。
裏庭を抜けて着くこの体育館裏は誰も来ない。
いつもいつも中谷はここで一人、何を思い空を見つめてたの…?
「あんな悲しそうに空を見つめる人を初めて見た。あいつが見る世界はどんなんだろうって思って今日、ここに来た」
高橋さんもきっとここで中谷と出会った?と言って笑っていた。
悲しい笑顔で私に笑うから私は泣いてしまった。
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