時は誰も待ってくれない 上
私と中谷の間にあるものは記憶と携帯のメモリーにある中谷の携帯番号と中谷という文字だけ。


私は人生の変わり目に中谷を置くことにした。
忘れるわけじゃない。
忘れたいわけでもない。
この初恋を過去にしたいわけじゃない。

でも、このままの私では沢山の人を傷つけてしまうと思うから。
梨香がや山下くんが心配してくれたように。
これから私にはたくさんの出会いと経験がある。
そのたびに中谷を思い出していたらキリがないし自分のためにもならない。
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