時は誰も待ってくれない 上
支え

私は大学に通う。
正直進路とか悩んだりしたけどまだ夢がしっかり決まっていないから大学に通いながら探すことにした。
大学は家よりも遠いところで通うのが大変だから一人暮らしをする。
一人暮らしってちょっと憧れてたんだよね。
バイトしながら大学に通うのも大変だけどいつまでも親のすねをかじっていられない。
「真由、用意できたの?」
「うん。もう運ぶよ」
母が少しだけ寂しそうに笑って部屋を見渡す。
「広くなったわねぇ…。たまには帰って来なさいね」
ここで私は今まで育ってきたんだ。
物が無くなると一気に広く感じるこの部屋を私は見渡してから窓の外を見る。
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