時は誰も待ってくれない 上
家から見える景色。
しばらくはこの景色ともお別れか…。
いろんな大切な人と出会えたこの街は私にとって一番大切な場所だ。
玄関前に人影が見えて視線をそこに向ける。
…ん?
…んん?!
私は勢い良く窓を開けて乗り出す。
「山下くん!?」
「ちょっ、あぶねぇ!」
「なんでいるの!?」
もう会わないだろうと思っていた山下くんが居たので驚きながら身を乗り出す。
「いや、まじで危ねぇから降りろ!」
そんな私を見てあたふたする山下くん。
とりあえず私は玄関へと猛ダッシュで階段を下りた。
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