双世のレクイエム
其弐:戯れでござる
*
新人エリート育成プロジェクト。つまりこの新人研修会でのクエストは『猿の子の相手をすること』だ。
猿の子の相手。
それはつまりどういうことか。
「俺の名前は【神猿 魅内】(かみざる みない)。神猿兄弟の長男だよ。
ちなみに今回のクエスト、あんたら意味分からいでおいでまっか?」
鳥居から下りてワタルたちに近づいてくる緑のサルは、「あんだすたーん?」と問いかけてくる。
当然、分からないワタルたちは首を横に振った。この際この子の口調については置いておこう。
「ふーん、わかんねーんだ。ま、だろうけどー。
『猿の子の相手』ってのはつまり、『俺たちの相手』ってことだよ。神猿の氏を持ってる子供、だから猿の子ってわーけ。おわかり?」
首を縦に振る。
それを満足気に見た緑のサルは、口角を上げた。
「ならよろし。じゃあ、俺らの相手してくれるかにゃ?」
「え。や、あの…それってつまり?」
「俺らと遊べってこーと!うははははははっ、兄ちゃんらウェルカムトゥーマイハウス!」
「うはははは」と笑ってくるくる回る緑のサルに、ワタルとエルは怪訝な顔をする。
ちなみに、ここで補足しておこう。
『緑のサル』と言っても、別に神猿くんの容姿がサルというわけではない。サルではなく、14ばかりの少年の姿をしている。
髪が緑の少年。少しばかり奇抜な子供だと思ってくれればいい。
ただ、あえて謎な点があるとすればそれは、白のゴーグルをかけていることだろう。
ゴツめの白いゴーグルは、ひどく目立つ。
そういえば、先程この緑髪のサル少年は『俺たち』と言っていた。
つまり、他に仲間がいるということなのだろうか。
しかし、辺りに他の人物など見受けられない。
ワタルが不思議に思って首をかしげていると、もうひとつ、気づいたことがある。
「(なんで、朱火が起きないの?)」
朱火が目覚めないのだ。
先程、爆発も起こったというのに。
一体なぜ?どうして?
悶々と考えるばかりで、なかなか答えは出てこない。
そうこうしている内に、緑髪のサル少年が腕を広げてワタルたちに向き直った。
「さあさあエリート修行者の若者諸君!神猿兄弟、長男のミナイくんと遊んでおくれよ!俺今すっげえ空腹なのよ、つまんないのよ!
鬼ごっこしーましょ、オーニさーんこーちらっ!」
うはははははっ!
笑い声の響く神社。可愛らしい少年なのに、なぜだか一瞬。
不気味に思えて他ならない。
新人エリート育成プロジェクト。つまりこの新人研修会でのクエストは『猿の子の相手をすること』だ。
猿の子の相手。
それはつまりどういうことか。
「俺の名前は【神猿 魅内】(かみざる みない)。神猿兄弟の長男だよ。
ちなみに今回のクエスト、あんたら意味分からいでおいでまっか?」
鳥居から下りてワタルたちに近づいてくる緑のサルは、「あんだすたーん?」と問いかけてくる。
当然、分からないワタルたちは首を横に振った。この際この子の口調については置いておこう。
「ふーん、わかんねーんだ。ま、だろうけどー。
『猿の子の相手』ってのはつまり、『俺たちの相手』ってことだよ。神猿の氏を持ってる子供、だから猿の子ってわーけ。おわかり?」
首を縦に振る。
それを満足気に見た緑のサルは、口角を上げた。
「ならよろし。じゃあ、俺らの相手してくれるかにゃ?」
「え。や、あの…それってつまり?」
「俺らと遊べってこーと!うははははははっ、兄ちゃんらウェルカムトゥーマイハウス!」
「うはははは」と笑ってくるくる回る緑のサルに、ワタルとエルは怪訝な顔をする。
ちなみに、ここで補足しておこう。
『緑のサル』と言っても、別に神猿くんの容姿がサルというわけではない。サルではなく、14ばかりの少年の姿をしている。
髪が緑の少年。少しばかり奇抜な子供だと思ってくれればいい。
ただ、あえて謎な点があるとすればそれは、白のゴーグルをかけていることだろう。
ゴツめの白いゴーグルは、ひどく目立つ。
そういえば、先程この緑髪のサル少年は『俺たち』と言っていた。
つまり、他に仲間がいるということなのだろうか。
しかし、辺りに他の人物など見受けられない。
ワタルが不思議に思って首をかしげていると、もうひとつ、気づいたことがある。
「(なんで、朱火が起きないの?)」
朱火が目覚めないのだ。
先程、爆発も起こったというのに。
一体なぜ?どうして?
悶々と考えるばかりで、なかなか答えは出てこない。
そうこうしている内に、緑髪のサル少年が腕を広げてワタルたちに向き直った。
「さあさあエリート修行者の若者諸君!神猿兄弟、長男のミナイくんと遊んでおくれよ!俺今すっげえ空腹なのよ、つまんないのよ!
鬼ごっこしーましょ、オーニさーんこーちらっ!」
うはははははっ!
笑い声の響く神社。可愛らしい少年なのに、なぜだか一瞬。
不気味に思えて他ならない。