ラベンダーと星空の約束
「流星、連れて来てくれてありがとう。
もう少し、休んで行ってもいい?」
「ずーっと、ここに居ていいよ〜!
何なら、夏の間俺の部屋で暮らす?」
「それは……身の危険を感じるから遠慮しておく」
「ハハッ 俺って信用ないなー。まぁ、しょうがないか。
冷たい物でも飲む?水分取った方がいいよ?」
「うん。
何かサッパリした物が飲みたい」
「さっぱり系ね〜…」
流星は小型冷蔵庫の中から、500mLのサイダーを2本取り出した。
一本ずつペットボトルのまま飲むと思ったら、
わざわざグラスを出して注いでくれた。
女の子っぽいその気遣いが意外に思えて、クスクスと笑ってしまう。
「俺がグラス使ったら変だって?分かってないなー。
炭酸飲料はグラスに入れないと損するから。
ほら、こうしてグラスを耳に当て、目を瞑ってみなよ?」
流星は私の横に腰掛ける。
サイダーの入ったグラスを耳に当て、目を閉じ、心地好さそうな表情を浮かべていた。
私も真似をしてみる。
すると、耳に涼やかで気持ちの良い音が響いてきた。
「俺、昔からこの音が好きなんだ。
細かい気泡がグラスに当たって弾ける音…綺麗だと思わない?
ほら、良く耳をすませて……
…シュワシュワー…て湧いてきた気泡が、プチプチってグラスに当たって弾けると、
ティン…ティン…て澄んだ高い音色を奏でるんだ」