ラベンダーと星空の約束
 


軽く触れた唇は、一度離れてからまた触れた。

唇が触れた瞬間から、体がどんどん熱くなっていく。



流星のキスは決して激しいものじゃない。

静かにゆっくりと、愛おしむように私に触れる。



触れては離れ…
離れては触れる、優しいキスの合間にそっと目を開けると、

流星の薄茶色の瞳が艶っぽく輝いていた。



視線が絡み合うと、ふんわりと柔らかく頬を緩ませ、素敵な笑顔を見せてくれる。



色香を放つその瞳の中には、私が映り込んでいるのが見えた。



これが…好き…
流星が私を真っすぐに見てくれる。



逃げないで向き合ってくれている。

そう思えるから、流星と見つめ合う瞬間がすごく好きなんだ。



サイダーの味がわずかに残る、甘くて長いキスに酔いしれた。



気持ち…いい…

すごく気持ちが良くて…

もっと…もっと…って思ってしまう。



口の中いっぱいに広がる、うっとりする程の快感に、

思考も意識も吹っ飛びそうになっていた。



 が、



ふわふわと飛んでいきそうだった意識が、瞬時に元の場所に戻って来た。




「流星 待って!
キスだけって言ったじゃない!」



「ん〜言ったよ?これもキスだけど?」




流星の唇は私の唇から離れ、徐々に下がって行く。


意識がどこかをさ迷っていた間に、
いつの間にかキャミソールの肩紐が下げられていた。



「流星、ダメだって…」




さっきまで汗だくだったから汗の匂いが気になるし、

それに胸は小さいから見られたくない…

いや、そんな恥じらいよりも、このままでは本当にセフレになってしまう!



本気で流星が好きなのに…

私だけ本気で、流星は遊びだなんて、そんなの嫌だよ!




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