ラベンダーと星空の約束
「流星、待ってったら!
この…、エロ大魔神が!!」
そう叫んで流星の肩を思いっ切り押し返すと、
やっと唇を離し顔を上げてくれた。
その瞳には、何故か驚きの色が広がっていた。
「今の…もう一回言って?」
「えっ?今のって…エロ大魔神…?」
「エロ抜かして言って?」
「大魔神…」
「もう一回」
「大魔神…
流星?頭…大丈夫?」
「………」
私の上から下りた流星は、片膝の上に頬杖を付き、
「大魔神…」と繰り返し呟いていた。
急に消え失せたピンクの空気と、急におかしくなってしまった流星の態度。
乱れた服を直すことも忘れ、呆気に取られて彼を見ていた。
流星、どうしたんだろう……
『エロ大魔神』って、ただ思い付きで言っただけなのに、
何をそんなに考え込むの?
起き上がり服を整え終わっても、
流星は眉間に皺を寄せ、まだ「大魔神…」と呟いている。
「流星…?」
「ん? あぁ…ごめ…ああー!
何で服、元に戻してんの? これからいい所だったのに〜」
「バカ…」
良かった。
いつもの流星に戻ってくれた。
本当に頭がおかしくなったのかと思ったよ。