ラベンダーと星空の約束
亀さんが言う。
「あー… 今年は流星にコレをあげないとならないのか……」
たく丸さんも言う。
「大ちゃんは生身の女の子を触り放題だから、必要ないと僕は思う」
瑞希君も言う。
「だよね〜。僕もたく丸君の意見に賛成。
こういう物を、彼女のいない淋しー僕らから奪ってくなんて、何かムカつく」
最後に流星が皆を急かす。
「え〜 みんな酷いなー。
約束は守ってよ。ほら早く出して!」
何、この会話?
優勝賞品の話しをしてるのは分かる。
負けた皆が流星に何かをあげなくちゃならなくて、
それを渋っているみたいだけど……
もしかしてと考えた私の予想は当たっていた。
柏の根元に置いてあった紙袋の中から、皆がそれぞれ取り出した物は…
エロDVD。
これが賞品…?
健全な思春期の男の子達だから、こういうのを見るのが悪いとは言わないけど、
私が優勝していたら、どうする気だったのだろう?
貰っても困るよ。
それに敗者から勝者へ賞品をあげると言う事は、
私も何かあげないといけないんだよね?
「あのー… 私、流星にあげれるエロ系の物はないんだけど……」
「あー、紫ちゃんは何もあげなくていいよ?
大ちゃんもこれだけあれば十分でしょ?」
「んー 十分、十分…って、あっ何これ?
ちょっとたく丸さーん。
『アイドル大集合』なんて貰っても俺興味ないんだけど。
もっとまともなエロは無いっすか?」
「フフフッ 良く見てみなよ。
『アイドル大集合』の下に書かれた一文を」
「ん? 『アイドル大集合−全裸で水着大会−』
あっ本当だ。まともなエロだ。サンキューで〜す!」
全裸で水着大会?
それって裸なのか水着なのか分かんないけど、
まともなエロって言っていいの?
そもそも、まともなエロとそうでない物の違いも良く分かんない……
男4人が賞品を見ながら語らっている様子を、
疎外感を感じながら無言で見ていると、瑞希君が気付いてくれた。
「ほらほら、みんなー。
エロ話しはその辺でおしまいにするよー。
紫ちゃんが引いてるから。大ちゃん早くそれしまって来て?」
「ほーい」