ラベンダーと星空の約束
正直言って流星に対抗意識を持っていた。
紫の話しによるとアイツは平気で
『可愛いね』とか『優しいね』とか『君が笑うと僕も笑顔になれる』とか、
俺には絶対言えねぇ、紫のツボ台詞を吐いてるみたいだからさ…
だから何て言うか、
俺も紫の気を引く何かをしたかったんだよ…
誕生日の日まで考えに考え、夜に花火をやろうって誘うことにした。
俺には恥ずかしい台詞は言えねぇけど、綺麗な花火を見て
『これ誕生日プレゼント』って渡したら、結構様になるんじゃねぇかと思って。
ナイスな考えに気を良くした俺は、近づくのを避けていた紫と流星のいつもの場所、白樺並木に向かった。
俺が近づくと二人はそれぞれに読んでいた本から顔を上げ、こっちを見た。
「あのさ…親父が花火をいっぱい買ってきたから、夜にうちで花火やらねー?」
「やるやる!ネズミ花火もある?」
「ある。ロケットもパラシュートもある」
「ワーイ!! あっ……でもね…大樹の家じゃなくて、うちでやってもいーい?」
「あ?お前んちでやったら、おじさんに怒られるだろ?」
紫ん家のラベンダー畑は、夜間でも見れる様にライトアップしてる。