ラベンダーと星空の約束
もう帰ろうかな……
あ…まだプレゼント渡してねぇや……
手持ち花火はやり尽くしたし、そろそろ渡さないと……
でも何か流星の前で渡すのは嫌だな…
ただでさえこんなまともなプレゼントを渡すのは恥ずかしいのに、
見られてる中で渡すのは…
いや…待てよ?
流星の前で渡すから意味があるんじゃねぇか?
流星は多分、紫の誕生日が今日だって知らない筈。
そんなアイツの前で、俺だけプレゼントをあげたら……
下を向いてニヤリと笑った後、隠しておいたレターセットの入ったビニール袋を持ち紫と流星の前に立った。
二人はしゃがみ込んで線香花火をしていたが、
小さな火の玉がポタリと落ちてから、顔を上げて俺を見た。
「大樹、何?一緒に線香花火やる?」
「いや、そうじゃなくて…これ…紫に…やる」
「これ何?」
「誕生日プレゼント」
「あぁ、どうせまた変な物なんで……あれ?
これ…レターセットだ。
うわ〜綺麗〜!大樹ありがとう!嬉しい!!」
紫は俺の選んだプレゼントを受けとって、嬉しそうな顔してくれた。
ヤッタ…流星ザマーミロ!
俺はお前よりずっと紫のこと知ってるし、喜ばすことだって簡単に出来んだよ!