ラベンダーと星空の約束
 



―――――…
――――――…


これがあの夏最大の思い出。

流星は昔も今も目の上の……何だっけ?

目の上の…吹き出物?
何か違うな…あっ タンコブか。

つまり邪魔な存在なんだよ。



紫は何であんなキザ野郎が好きなんだよ。



紫の男の好みは頭が良くて大人ぶって、恥ずかしい台詞を照れずに真剣に言える奴。



好きなタイプを聞いた訳じゃねぇけど、多分そんな感じだと思う。



紫に好かれたいなら俺もそうなればいいんだろうけど……無理。

なれるわけねぇだろ。
それじゃ俺じゃなくなっちまう。



俺が紫のタイプじゃない事も、紫のドツボが流星でも、今更そんな事に落ち込んだりしねぇ。



紫が流星を想ってきた以上に長い年月、俺は紫を想い続けてる。



流星に恋してる紫を
間近で見続けてきたんだ…



『流星はやっぱり流星だった!』

『本質は私の好きな、あの夏の流星のままだった!』



そんな事今更言われても
「やっぱりな」くらいにしか思わねぇよ…



< 233 / 825 >

この作品をシェア

pagetop