ラベンダーと星空の約束
そうか…お母さんは調理場から出てこれないし、
青空じゃまだ上手くアルバイトの人達に指示をだせないから、混乱した状況になってるんだ……
これは私が何とかしないと。
まずはレジの混雑を解消する事から取り掛かった。
小型ホワイトボードを持ってきて、そこに素早く手書きで言葉を書いた。
『お買い上げ合計1000円未満でレシート不要の方、こちらでお会計お受け致します』
籠に入れたガムやご当地キャラメルをレジカウンター上から撤去して、
空いたスペースに電卓と卓上金庫をドンと置き、ホワイトボードを立てかけた。
作り上げたその簡易レジで、商品の袋詰めをしていたアルバイトの人を会計に当たらせた。
簡易レジは手計算だし、商品番号を控えながらやって貰わないといけないから、決して時間短縮にはならない。
だけどレジを一つ増やすことでレジ待ちの列が短くなる。
お客さんの心理的にこの方がいいと思った。
長い列でイライラして待つより、一人一人の会計時間が長く掛かかったとしても、
後数人で自分の番がくると思った方が、待ち時間が短く感じると思ったから。
しばらく様子を見ていると私の思惑通り、お客さんのイライラ顔は少し解れたように見えた。