ラベンダーと星空の約束
 


次は…軽食の方を何とかしないと。



土産物売場は上手く機能し始めたので、3人のアルバイトの人達に任せて軽食スペースに移動した。



軽食スペースはまだ満席状態が続いており、席待ちのお客さんも出ている。



ただでさえ狭い軽食スペースが、

席待ちのお客さんが周囲を囲んでいるせいで、余計に狭く感じた。

これでは落ち着いて食べられない。




「あっ!姉ちゃん!!助かった〜…」



テンパっていた青空は私を見ると、今にも泣きそうな顔をした。




「青空、泣いてる暇はないよ。店ではしゃんとしな。

その食器下げたら外に行って予備の椅子を20脚出して。

それで店横の日陰にその椅子を4列に並べて。

それだけじゃ味気無いから……入口の花のプランター。

あれを椅子の周囲にいい感じに見える様に配置しておいで」



「何する気だよ」



「アイスやジュースだけのお客さんは、外での飲食をお願いするの。

こんなに席待ちのお客さんがいるのに、
ソフトクリームだけでテーブルを使われたら、早く回転させられないでしょ?

それに混み合ってる店内で食べるより、

涼しい外の日陰でラベンダーを見ながらソフトクリームをかじった方が美味しいに決まってる。」



「あっ そうか!俺、椅子出してくる!」



「それ終わったら、コーラとメロンソーダを、ジュースマシーンに補充しといてね」



「はーい!」





これで店内に少しは余裕が出来るはず。

青空が戻ってきたら私も調理場に入って…

あ、ダメだ。15時過ぎちゃってる。
大樹を上がらせないと。




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