ラベンダーと星空の約束
「 流星 ……」
「じゃあこうしよう。これを預かっていて?
次に会う時まで無くさないで大切に持っていてよ。
それならいいだろ?」
「 うん …」
もらう訳じゃないなら、
次に会う時までの、再会の約束としての指輪なら…
迷ったけれどそう思い、最終的には指輪を受け取った。
私が大切そうに指輪を握るのを見て、流星は嬉しそうに微笑んでいた。
――――
――――……
紫水晶の…彼のお母さんの形見の指輪…
これが手元にある限り必ず再会できる。
そう信じていたのに…
4年経っても彼は私に会いに来てくれなかった。
流星の本を布団の上に置いて、首に掛けているシルバーチェーンのネックレスを外した。
それにはペンダントトップのように紫水晶の指輪を通してある。
私の指のサイズには大き過ぎる大人の指輪。
はめていて落としたら大変だから、こうして身につけている。
それに本物の宝石を見せびらかせて学校生活を送る訳にはいかないし、
服の胸元に隠せるネックレスは都合がいい。