ラベンダーと星空の約束
金色のリングを指で摘み、ベッドランプの明かりにかざしてみた。
直径1cm程の球形にカットされた紫水晶。
カットの角度に合わせ石の内部で光が何度も屈折し、
まるでこの石そのものが光を放っているように煌めいて見えた。
紫色の光 ……
指輪の輝きに重ねて、あの夏の流星の瞳を思い出す。
一面のラベンダー畑の中
色素の薄い瞳はその色を映し、紫色に輝いて見えた…
それが見惚れるほどに綺麗でだった…
今でもこんなに彼を想って胸が焦がれる。
4年も前の…
それも一ヶ月だけの幼い初恋なのに。
想いは薄れる所か、不思議と月日と共に強くなっていく。
想い出を美化し過ぎているのかな…
でもそうなるのは仕方ないんだよ。
私にはこの指輪を見つめながら、
繰り返しあの夏を思い出すことしか出来なかったのだから …