ラベンダーと星空の約束
 


いつもより長く感じた家路。

やっと玄関に着いてドアを開けると、
何故かふんわりとカレーの匂いが漂ってきた。



あれ?
お母さんはまだお店にいる筈なのに…何で…?



不思議に思いながらキッチンに入る。

青空がガスレンジの前で鍋を掻き回していた。




「青空!?
あんたがカレー作ってるの?」



「あっ…姉ちゃん…お帰り。

カレーくらいなら俺でも作れると思ったんだけど…どうかな?

何回も味見してたら、分かんなくなってきた。食べて見て」




小皿に入れたカレーを味見する。

人参が少し固くて切り方も不揃いだけど、ちゃんと美味しく出来ていた。



驚きながら「美味しい」と伝えると、

青空はホッと頬を緩ませ、それから照れた様に笑った。




「父さん達が帰るまで休んでろよ。

何かやらなきゃいけない事があったら言って?今日は俺がやるから。

あっ風呂沸かしてあるから先に入ったら?」



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