ラベンダーと星空の約束
 


いつもと違う青空…

明らかに私の体を気遣っていると分かる。



その気遣いを喜んでいいのか難しい所。

だって、アレが初体験だと分かっているって事だよね?



今更だけど、
弟に初体験を見られるのって…

恥ずかしい…



でもその優しさは、心から嬉しかった。

青空が優しい子に育ってくれて良かった。




野菜の皮や洗い物で散らかるキッチンを、片付け始めた青空。

中学二年生。

私より大きくなったその背中を、後ろからギュッと抱きしめた。




「青空…ありがと。
今日は驚かせてごめんね…」



「…… 姉ちゃん…これでいいの?後悔しない?

俺は、流星より大樹を選んでくれて嬉しいけど…

でも姉ちゃんの気持ちは……」



「いいの。私は大樹をずっと苦しめてきたから、これからはその想いに応えないと……」



「義務感みたいな感じで大樹と付き合うの?」



「そうじゃないよ…大樹が離れて行くと、私が苦しい…

大樹に恋が出来る様に努力してみる」




青空は洗い物の手を止めた。


「努力したってさ…」

そう言いかけて、話すのを止めた。




「何?」


「やっぱ…いい。
下手なこと言ったら、大樹にぶっ飛ばされるから止めとく」




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