ラベンダーと星空の約束
「はぁ…」
さっきから何度溜息をついた事か…
大樹の想いに応えたい。
大樹を失いたくない。
その想いは決して嘘じゃない。
だけど、流星を想うと心が苦しくて壊れそうになる。
金のリングを指で摘み、じっと紫水晶を見つめた。
仄暗い部屋の中で見る石は、いつもより暗く濃い紫色。
暗い色合いを見つめていると、指輪に責められている気分になった。
流星を苦しめないでと…
彼の亡くなったお母さんに言われている気がした…
結局その夜は一睡も出来なかった。
指輪の無言の責め苦に堪えながら、静かに涙を流していた。