ラベンダーと星空の約束
小さな溜息をつき、
シルバーチェーンのネックレスを首に掛け直す。
布団の上の流星の本を手に取る。
『ラベンダーと星空の約束』
そのタイトルに淡い期待を寄せて、そっとページをめくった。
◇
それを読み終えたのは4時間後のこと。
家族はみんな深い眠りの中にいて、家の中は静寂に包まれている。
その中で、私の小さな泣き声が響いていた。
私は昔からお姉ちゃん気質で我慢強くて…
強い人間だと思い生きてきた。
そんな私の涙腺を、流星だけは易々と破壊してしまう。
この本に書かれていたのは多分…私と流星の恋の物語。
彼と過ごしたあの夏と重なる場面が幾つか出てきた。
流星は私を忘れていない。
今でも私を想ってくれている…
涙の理由は、そう思い胸が熱くなったから。