ラベンダーと星空の約束
「横顔だし…全身写真だから顔はよく分かんないけど……背高いよね。
カッコイイじゃん!
やっぱ紫の彼氏だけあってレベル高いわ〜。ケントと大違い」
「弓道かー。和服男子って色っぽいね。
腕の筋肉の盛り上がりすごーい!触ってみたくなる感じ!」
大樹が、
カッコイイ…色っぽい…レベル高い……
そんな筈無い。
そう見えたのはきっと弓の効果。
弓を引いてる時だけ、カッコイイと私も思う。
普段はアホ面晒して馬鹿丸出しだけど。
今朝だってモーニングコールしてやったら、
笑えるくらい寝ぼけていて…
『あぁ…起きてる…起きた…おきた…あきた……
だからジャガバターは飽きたって……カレーに入れてよ……ポテトフライもヤダ………』
連日新ジャガの収穫作業に追われている大樹は、
寝言までジャガイモの話しで、思わず吹き出してしまった。
こんな大樹のどこが
レベルの高い男子なのか…
大樹の名誉の為、友達にバカ話しの暴露は控えてあげるけど、
誉め過ぎの2人の評価には、全力で否定したくなる。
私は格好良さなんて求めてない。
格好良い男になんて、ならないで欲しい。
大樹は…
慣れ親しんだ…
傍にいてホッと気を休める事のできる…
そんな存在であって欲しい。
大樹に恋をするには、
それじゃいけないんだろうけど……
◇
お昼休みになった。
今日はニ学期始まってからの初めての水曜日。
水曜日は…
私の手作り弁当を、流星と一緒に食べる日だった…
今までは…
流星にお弁当を作ってあげていい物か、凄く迷った。
流星を振ってしまった私、
でも彼は気にしなくていいと、何度も言ってくれた。
気にしなくていい。
これからも柏寮の一人の仲間として…
と言うことは、
今までの様に、お弁当を作っても迷惑にならないのかな…?
柏寮のよしみとして、お弁当を作るのは、有りか否か…