ラベンダーと星空の約束
どうして…
お弁当持参する様になったとか…?
いや、流星が自炊してる所なんか見た事ないし、
部屋にあるのは電子レンジくらい。
炊飯器もコンロも置いてないから、自分でお弁当を作るなんて考えられない。
じゃあ、購買でパンを買ってるとか…?
たまにそんな日もあるかも知れないけど、
流星はパンより米派だから違う気がする。
コンビニ弁当っていう考えもあるけど……
学校とは逆側に、毎朝わざわざ買いに行くっていうのもしっくりこないし、
コンビニ弁当より学生食堂の方が、安くてボリュームがある。
じゃあ…お昼を食べていないのかな…
良く分からないけど、一つだけハッキリ言える事は、
水曜日の私と流星のお弁当の日は…
もう無くなった。
そっか…そっか…
そうだよね……
流星を裏切っておきながら、今まで通りお弁当を食べてもらえると期待するなんて、
私って…
何て図々しい奴なんだろう……
慶子さんが二本目の煙草を携帯灰皿の中に押し込んだ。
仕事に戻る為食堂のドアを開けたが、
ドアが閉まる前に顔だけひょっこりと出して、私に言葉を残した。
「何があったのか知らないけどさ、しょげてる位なら謝って仲直りしなさいよ?」
仲直り…
ただの喧嘩ならどんなに良かった事か…
私と流星の間には、決定的な溝が出来てしまった。
その溝を掘ったのは
当然、私…
はぁ… 苦しい…
流星……