ラベンダーと星空の約束
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◇◇◇
流星と同じ高校へ行こうと決意した日から、厳しい受験勉強の日々が始まった。
それ程必死にならなくても、いつもテストは満点近い私。
そんな私が勉強する事を初めて苦しいと感じた。
苦しかったのは受験勉強だけでなく…
両親に伝えられずにいた。
東京の高校に行きたいと言う希望を…
やっと言い出せたのは、秋になってからのこと。
地元の高校に進学すると思っていた両親はかなり驚き、
やっぱり反対された。
特待生になれば学費は掛からないと言う切り札を出したが、
それでも駄目だと言われてしまう。
これには困った。
何と言えば説得出来るのだろう。
近付いていた流星への道が消えそうで、泣きそうになった時、
側にいた大樹が、意外にも助け船を出してくれた。
「おじさん、おばさん、
紫がワガママ言ったこと、今まであった?」
その言葉に両親は黙り込んだ。
幼児の頃は別としても、物心ついた時からワガママを言った記憶は無い。
店が忙しい両親に代わり弟の面倒を見てきたし、
夏には土産物と軽食販売を手伝い、家事も殆ど私がやっている。
うちは家族経営の小さな観光農園。
ワガママなんて言っていられないのだ。
そんな優良賞ものの娘が初めて言ったワガママ…
大樹の言葉に両親は考え込んだ。